カテゴリー「書籍・雑誌」の22件の記事

『古墳の古代史 -東アジアの中の日本』 読了

日本、朝鮮、中国における古代墳墓の共通性と地域の独自性についての好著です。特に印象に残った点を二点あげます。

古代、中国から輸入され、古墳に大量に副葬された鏡

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権力の関係がどうのということに関心がいってましたが、この鏡の輸入と引き換えに輸出されていた品に『人間』が含まれていたことを知り、輸出された人間に思いが至り、私の「鏡を見る」目が今までとは変わりました。

もう一点は、日本の前方後円墳の形の由来です。
「壺形土器をかたどった」という説を、NHKの歴史秘話ヒストリアで紹介していましたが、『ばかばかしい説』と思っていました。

この著書では、“「弥生時代の円形周溝墓に起源があり、円丘墓に付けられた陸橋部分が後方部の起源になった。」のは考古学界の通説になっている。”
もう通説になっているんだ!という驚きがありました。

円形周溝墓とは、土まんじゅうを作る時周りを掘るのですがその溝が360ではなく一カ所土まんじゅうに行く部分をのこす。(その部分を陸橋と表現しています)

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どこからが著者の独自の論なのかは良くわからない点はありますが、古墳に関する最新知識が得られました。
(森下章司著)

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“ここまで変わった日本史教科書”

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“ここまで変わった日本史教科書”吉川弘文館社刊を読了しました。

『士農工商』『百姓は生かさぬよう殺さぬように』
こうした言葉は、今の教科書には載っていないそうです。

大塩平八郎に対する評価が低くなっているなど、少なからずショックを受けた部分もあります。

今話題になっている、「聖徳太子」「鎖国」という表現が復活するそうですが、この本では、1年半前の発行ですが、「教科書から『聖徳太子』『鎖国』が消えつつある」となっています。変わり方が早いです。
しかし、幕末に『開国』を教えるので『鎖国』の語がないと教えづらい。という理由から『鎖国』が復活というのはいけないです。
『聖徳太子』の復活もいかがかな?日頃のお札で「聖徳太子」でなじんでいるからなのか?

興味深く読みましたが、著者3人は、教科書検定官(正確には調査官)です。検定の正当性が色濃く出ています。当然、申請者側の目線がありません。その点についてはちょっと距離をとりたい本ではありました。

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鎖国も聖徳太子も消える

学習指導要領の改定で「鎖国」や「聖徳太子」が教科書から消えるそうです。

実態は、すでに鎖国も聖徳太子も教科書からはほぼ消えているようです。あちこちの本から私自身が勉強した頃と日本史の教科書が変わっていることは知っていましたが、網羅的に書かれた本を今読んでいます。

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2,3年前に高校の現職の日本史の先生から「聖徳太子はいなかった。」と聞いてびっくりしました。「厨戸王を脚色して聖徳太子とした」と穏当な表現でいってくれればそれほど驚かなかったのですが・・・・・。学習指導要領は、現在の学問水準と、それを反映した教科書を追認する形です。

「鎌倉幕府は蒙古襲来が原因で滅びた。」これも訂正されているようです。ちょうど読了した『鎌倉幕府と朝廷』で私も知りました。

170214a3鎌倉時代は「訴訟多発の時代」という印象です。「相続に見合う土地がなかったことが、幕府滅亡の要因だ」というのです。『一所懸命』がさらにリアルに響いてきます。ただし、訴訟関係の文書が多く残っているということも顧慮しなければならないでしょう。

私達が300年前の事についての言い伝えを書いても歴史になりませんが、例えば、700年に起こった出来事を300年後の1000年に書いたら歴史になってしまうことがあり得ます。
歴史は動いている。そんな感想を持ちます。

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「人間・始皇帝」読了

始皇帝は史記に書かれていて、今さら「人間・始皇帝」もあるまい。新発見があったとも聞いていないので、どう展開するのだろう?と、読む前は懐疑的に思っていました。
読んでなるほどと思ったのは、「史記」などの後世の文献資料を、同時代の墳墓などから出土した竹簡などの考古資料で修正しているということで合点が行きました。
ちょうど、「記紀」といった後世の文献資料ではわからなかったことが、遺跡から出土した同時代の木簡で明らかになる。と、同じ関係であるということです。

当然ですが、中国の人名、地名で地図ともにらめっこで、読むのに時間がかかりました。ですが、面白かった。

本筋とは関係ないのですが、『首』という文字と『頭』という文字の成り立ちの関係です。『頭』は偏と旁です。「敵の武将の首をとる」と言った場合は、文字通り「首」だけをとるのではなく、首から上の頭をとることです。『首』という文字は、首+顔+頭から成り立っていることを、あらためて知りました。「首をとる」とは「頭をとる」ということです。
本文に書かれていた、この時代の凄惨な処刑の例で「首という文字の成り立ち」に関心が向きました。

始皇帝の二代目が、お馬鹿さんで、「馬を見て鹿と言った」故事から『馬鹿』という言葉が生まれたと思っていたのですが、二代目は決して「馬鹿」ではなく、若き二代目が権力を持った首相に逆らって「馬」を「鹿」といえなかったことを知りました。おくらばせながら知って良かった。

また、西安に行って見たくなりました。

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「風土記の世界」三浦佑之著 読了

本著は、風土記に語られている内容そのものの解説ではありません。勿論個別の物語の理解についても述べられていますが、むしろ日本書紀、古事記、風土記の位置づけ、関連を軸に述べています。それぞれの政治的背景(中央と諸国の関係)を浮かび上がさせることで、より理解を深めようと企図しています。その糸口ぐらいは理解できたかと思っています。

読み終えて、筆者の「風土記の多くが失われているが、残っていたなら古代世界が大きく広がっていただろうに、残念だ」との思いに共感しました。今後の研究の深化に期待を寄せます。

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久し振りに読んだ「暮らしの手帳」

NHKの朝ドラの『とと姉ちゃん』の大ファンになっています。
思い立って「暮らしの手帳83号」を買って読みました。第1号の抜粋復刻版が付録です。

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「久し振りに読んだ。」と言っても、今まで、まともに買って読んだ記憶はありません。“消費者テストの雑誌”程度に思っていて立ち読みしたぐらいだったと思います。

ドラマで「豊かな暮らしがあれば、その暮らしを守ろうとする。それを壊そうとする戦争は起こさない!少しでも暮らしを豊かにしよう。」とのこの雑誌の思想に心を動かされました。

雑誌を読んでみてそうした思想が、記事の随所に感じられました。記事の多くは男性にとっては、あまり関心のない『衣食』が中心ですがエッセイなどの共感する読み物もあります。
今でも、広告は載せていません。応援したくなる雑誌です。

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“江戸大名お家滅亡”読了

“大江戸御家相続”山本博文著に続いて、江戸時代の家督相続についての本です。

こちらは、「歴史REAL編集部」編です。軽いタッチで、ささっと読み終えました。

山本さんの本は、その時代の「御家相続への考え方」が背景として述べられていますが、こちらは事実関係の紹介と言った趣です。史蹟案内として読めました。

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『大江戸御家相続』読了

江戸時代の将軍家を中心として家督相続の様相を述べています。面白く読みました。

名古屋市博物館に行った時、学芸員に質問したことがあります。
「尾張藩は、徳川御三家の筆頭であるにもかかわらず、明治維新の時に、薩長の新政府に抗することがなかったのは、なぜですか?」と質問したことがあります。尾張藩の動きが、官軍が抵抗を受けずに江戸へ入城できた決定的な要因でしたから、是非お聞きしたいと思っていました。答えは「尾張藩は、勤王を旨としていましたから。」でしたが、しっくりきませんでした。

この本を読んで、その答えがわかりました。
江戸時代は280年続きました。明治維新の時には多くの大名は、すでに藩祖の血筋を繋いではいませんでした。将軍家や御三家も例外ではありません。幕末尾張藩も水戸家の血筋です。そして養子に迎えられた先の「お家大事」が基本行動になった事を理解すると、幕末の尾張藩はじめ、各藩の動きが理解できます。

著者・山本博文さんの本は、いつも楽しく読まさせてもらっています。

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“蘇我氏-古代豪族の攻防” 倉本一宏著

“蘇我氏の古代”吉村武彦著に続いての古代豪族・蘇我氏に関する本でした。2冊続けて読みましたので、蘇我氏への理解が増しました。もう一冊蘇我関連本が出ています。重なって出版されたのは偶然なのか?それとも何か契機があったのでしょうか?

大阪・羽曳野市それに太子町もまわってきました。そこが蘇我氏の一族である石川氏の本拠だとこの本で知りました。河内の石川がこの地であると意識して、旅行しなかったことが悔やまれます。
ですが、奈良・葛城地区への旅行の楽しみが増えました。今年中に行ければ良いのですが。

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“蘇我氏の古代”吉村武彦著

岩波新書の“蘇我氏の古代”を読み終えました。とても面白かった。
今まで奈良・明日香を何回も訪れています。次は「葛城氏」の地を訪れたいと思っていますが、私にとって葛城氏は、今一つスッキリしない、イメージも湧いてこない、のです。

本書は書名の通り“蘇我氏”を取り上げているのですが、まず、“氏(うじ)”を取り上げて、次に葛城氏を取り上げています。少し葛城氏がイメージできるようになりました。“名負いの氏”という視点が新鮮でした。

そこから蘇我氏について述べられています。長年しっくりこなかったことで、蘇我氏滅亡のクーデターの時、蘇我宗家を倒した側に蘇我一族がいたことの状況も理解できました。
この本は、蘇我氏のみならず藤原氏が奈良朝以降の権力掌握過程まで追っています。藤原氏との対比で蘇我氏のありようを浮かび上がらせていますが、結果的に葛城氏から藤原氏までの変遷を述べ、大河ドラマを見るような本になっています。

“貴族”の語源も知りました。良書です。

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