『夢魂の人』高野長英私論を読了
奥州市水沢にある高野長英記念館で買い求めた千田捷煕著『夢魂の人』-高野長英私論-を読了しました。
高野長英の手紙など江戸時代の文章の引用を丁寧に読み進めましたので、小説と違って読み進むスピードは遅く20日ほどかかりました。
あらためて高野長英の人となりを、この書を通じてではありますがより深く知った気がします。
私が、高野長英について持っていた知識は、「蛮社の獄に連座して投獄され、脱獄して、逃亡途中、薬品で自らの顔を焼きさらに逃亡を続けた。」と言った程度でした。この程度の知識でも「すごい人生だ」と感じていました。
吉村昭の小説『長英逃亡』に出会った時は、綿密な考証をする吉村昭が江戸時代の逃亡劇というおそらく資料がとても少ない話をどうして作品にできたのだろう?と言った長英とは別の関心もありました。秩父宮ラグビー場の行き帰りに長英の最後の地を通るというめぐり合わせが長英に対してより深く関心を持つようにもなりました。
そして今月初め、念願の長英の生誕地や記念館を訪れてきました。長英の自筆を見て感動もしました。しかし、この書を読了した今、長英の命を絞り出すような訴えを感じながら、記念館の遺墨、遺品を拝見したのか?自問し、少なからず恥ずかしい気持ちが起きています。
もう一度記念館に行きなおしたい衝動に駆られています。長英の生き様は、私に、「時代と人の生き方」を深く考えさせてくれました。
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