“仮名手本忠臣蔵を読む”
来週、歌舞伎“仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居”を新橋演舞場に見に行きます。4月は、やはり新橋演舞場に“仮名手本忠臣蔵”を見に行きます。4月は通し狂言で、午前11時から午後8時半頃?までになるでしょうか、1日で一気に忠臣蔵を見る・・・・忠臣蔵漬け・・・・の予定です。
そこでちょっと“仮名手本忠臣蔵”の知識を得ておきたいと吉川弘文館から刊行されている“仮名手本忠臣蔵を読む”を読みました。史実と演劇との違いについてはすでに幾多の著作が世に出ており、私も結構読んでいます。
この本にも史実との違いが当然のことながら書かれていますが、むしろどのように脚色されてきたのか?その経緯、時代背景に比重が置かれています。それは明治を経て現代の映画に至るまで記述されています。
プレ忠臣蔵ともいうべき作品が討ち入り直後から上演されていましたが、1701年の浅野内匠頭の切腹から50年近く過ぎた1948年にようやく浄瑠璃で初演され、歌舞伎としての初演は翌年になります。
事件当時の将軍徳川綱吉が亡くなり、島流しになっていた赤穂義士の遺児が島流しから赦され、義士が願った内匠頭の弟の浅野家がわずか五百石ではありますが再興なり、やはり討ち入り後、断絶していた吉良家も親類が吉良姓を名のることを許されてから、つまり事件が一通り決着がついてからの上演でした。
義士への拍手喝采の一方で、幕府による締め付けも少なくなかったことがわかりました。
読み応えのある本です。ですが、歌舞伎は力を抜いて楽しむつもりです。
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