映画“聯合艦隊司令長官 山本五十六”
正確な映画の題名は、ちょっと長くて“聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実”です。見に行ったのは先週ですが、上映は今週金曜日で終わるところが多いようです。とても良い映画です。
戦闘シーンが中心だったりする戦争映画ではなく、なぜあの無謀な戦争に突入したのか?という近現代史をテーマにした歴史時代映画です。大きなテーマですのでどのように描くのか不安と期待がありましたが、よくまとめて描いていたと思います。
今までは、ともすると「軍部独走」に焦点が当たり、見落とされがちだったマスコミのリード、それに一般国民も前のめりになっていったことが描かれていました。
山本長官のバックボーンとして戊辰戦争で戦火で焼かれた新潟・長岡藩の気風「常在戦場」「米百表」の精神などが織り込まれています。敗戦の悲惨を知る武人・山本五十六を浮き彫りにしています。それに比べ「行け行けどんどん」の若手軍人、時代におもね、信念を持たず開戦につながる三国同盟締結に流される、確固たる戦略も描けない海軍省の上層部があります。
映画の最後のほうで「この戦争で亡くなった日本人は三百万人を超えます。その9割が山本長官の戦死後に無くなりました。」とナレーションが流れます。
「バスに乗り遅れるな」と言った状態で勝算もない戦争に突入し、終結をする勇気も信念もなかったことの代償のあまりの大きさを訴えていました。
今に生きる我々への警鐘となる映画です。
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コメント
あいさん、コメントありがとうございます。
2・26事件で重臣が襲われ、殺されて以来、体を張る政治家がいなくなっていったようですね。
国歌百年の計より、己の議席の心配ばかりする議員が目立つ気がします。
心配です。
投稿: 最前列 | 2012年2月12日 (日) 00時02分
皇族たちの真実(竹田恒泰著)によると本来頼りになるべき重臣たちは皆逃げていたようです。
結局軍部を抑える力は重臣になく命をかけて首相になろうとする者もいないため皇室から
首相を出すことで後始末をしたようです。やはり重臣たちも命が惜しかったのでしょうか?
投稿: あい | 2012年2月11日 (土) 19時26分