“発掘された日本列島 2011”展
毎年恒例の“発掘された日本列島 2011”展を江戸東京博物館へ見に行ってきました。
滋賀県で発掘された国内最古級の土偶や平安時代の製鉄遺跡から発掘された大量の鉄滓など多様な発掘品が紹介されています。
会場で最後の展示が平城京の東院庭園です。模型の背後に東院庭園の写真パネルが張ってありました。模型は最新の発掘調査が反映されていなくて鑓水が再現されていません。(写真と比較するとわかります)
写真パネル右上部(拡大部分)に東院の隣にある光明皇后の追善供養をした阿弥陀浄土院の庭園の庭石(写真 赤矢印)が田の中にぽつんとしているのが写っていました。この庭石をたずねていっただけにうれしい思いでパネルを見ました。いずれ脚光をあびる史蹟になるでしょう。
東院庭園から出土した曲水の宴で使った小舟と杯も展示されて優雅さがしのばれます。
また緑釉瓦も展示されていました。奈良の枕詞として有名な「青丹よし」の青は、この瓦の色だと私は思っています。丹は朱い寺院の柱だと思います。「青丹よし」の枕詞そのものは、時の移り変わりによってその意味するところが変わったことは十分に考えられます。青(緑)の瓦と朱い柱は豊かさと文化の象徴であり、そうした建物が競い合うように建っていたところは奈良の都以外にはありません。奈良の都の賛歌としてふさわしい言葉だと思います。
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