“写楽展” 東京国立博物館
寛政6年(1794年)に突如現れて10カ月で消えていった東洲斎写楽の作品がもちろん中心ですがバックグラウンドとしての同時代の浮世絵の展示と版元の蔦屋重三郎にもスポットをあたえた展示になっていました。写楽のデビューは“雲母摺り”の豪華仕様という特別待遇でした。それがわずか10ヶ月のあいだに「何か創作意欲を落とす」かのように「たんなる看板絵」のような作品へとなってゆくことが良く見てとれました。役者絵は興行の間が売上勝負のブロマイドですから創作と商売のせめぎあいがあったのでしょう。ひと月ほど前に“役者に首ったけ!”展を見ていたので・・・・・今思うと写楽展を意識していたのでしょう・・・・・すんなり展覧会に入って行けました。
役者絵の素材として尾上菊五郎が全然出てこないことに気づきました。京都で誕生した音羽屋はこの頃まだ江戸では地位を得ていなかったのかもしれません。
写楽の展示作品の半数以上が海外の美術館からの里帰りでした。ブロマイドであった日本と美術品としてみた外国の差がこうした所にあらわれているのでしょう。
会場のショップのところに設置してあるビデオで役者絵を実際の芝居で再現していました。必見です。もちろん会場の入り口近くのビデオルームも毎度のことですが見逃せません。
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