法華寺阿弥陀浄土院跡(奈良旅行)
平城京の東院庭園跡の東隣に法華寺阿弥陀浄土院跡はあります。石碑と案内板がなければ通り過ぎるところでした。760年に光明皇后の追善供養のために建立され、一周忌もここで行われました。極楽浄土をあらわした浄土庭園を配した伽藍だそうです。(伽藍配置は調べましたがわかりませんでした)この地は“浄土院”と云う地名で記憶にとどめています。
田の中に庭園の大きな石がポツンと残っています。整備されたら触れないだろうと稲刈りを終えた田んぼの中に入りました。
ここで、ここに土地を持っていたUさんに1時間ほどお話を聞きました。幼少の頃は、おおきな石は2ケあったような記憶があるそうです。発掘した時の話、現在住宅地になっているところの旧状などを聴く事が出来ました。
発掘の様子 トレンチ
出土品 軒の先に付けた金具です。
浄土庭園を持つ寺院としては、平安時代の宇治・平等院が有名です。
これに倣ったのが平泉の毛越寺や無量光院です。さらにこの平泉に倣ったのが福島県いわき市にある白水阿弥陀堂です。平泉の藤原清衡の娘が当地に嫁いできて建立しました。“白水”の名は“平泉の一字「泉」を分解してつけたといわれています。現在は発掘・復元されています。
さらに源頼朝が平泉の藤原氏を滅ぼした時にやはり平泉の堂舎に心を奪われ鎌倉の二階堂に“永福寺(ようふくじ)”を建立しました。二階堂と云う地名は平泉の二階大堂大長寿院から来ています。発掘調査されて史蹟に指定されています。畠山重忠が立てた巨石が残っています。
それにしてもあらためて地名の偉大さを感じます。
奈良→京都・宇治→岩手県・平泉→福島県・いわき市と神奈川県・鎌倉市と浄土庭園の歴史は引き継がれて行きました。
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