岩戸山古墳と資料館
岩戸山古墳(福岡県八女市・前方後円墳)は筑紫君磐井の墓と伝えられています。(伝えられれているというのは考古学的発掘資料などで磐井を示す直接証拠が出ていないからで、学問は慎重なのです)被葬者が特定されている点でとても貴重な古墳です。私が注目している点は「磐井が生前に作り始めている」という伝承です。日本の大きな古墳のほとんどは被葬者が生前のうちに作られ(あるいは、作り始められ)ている。と考えよいと思っています。
この古墳には石人、石馬が出土していること、「別区」と呼ばれる広場が付属していることも貴重です。別区は、 盟神探湯(くがたち)のようなことが行われたのかな?と想像を誘われる空間でした。古墳には石人、石馬のレプリカが立てられていてタイムスリップを容易にしてくれます。
隣接する資料館は130円という入場料なのですが、重要文化財の石造品をじっくり見ることができます。石人は大宰府の国立博物館と東京の国立博物館でも1体見ることができます。しかし、現地で見る「雰囲気」までは持ってくることはできてはいません。
資料館の方から教えていただいて、岩戸山古墳の前方部の東、数十メートルのところの小さな古墳へ向かいました。石室の奥壁に”卍”の線刻があります。後世、祠として使われたのでしょう。
思えば九州の古墳の石室に入ったのは、この古墳が初めてでした。(現地訪問今年6月6日)
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