色温度
「色温度」 ちょっとなじみのない言葉かも知れません。新幹線を夜、遠くから見ると中ほどに赤っぽい(電球のような)照明の車両があることに気づいたことはおありでしょうか?電球は使ってないのですが、グリーン車は電球のような赤っぽい色を照明として使っています。そして落ち着いた雰囲気を作っています。普通車両は日中の雰囲気を持った白っぽい色を使ってます。このように赤っぽい色、白っぽい色、青白っぽい色を言葉ではなく数字で表わして使います。単位の呼び方はケルビンと言います。ろうそくの赤い色は2000ケルビン、正午頃の太陽光は6000ケルビンと云った具合に表わします。
私は仕事柄、職場に新たに来る方に「電流、電圧、周波数」と云った電気のイロハから、「3原色、照度、光束」と云った光の基礎知識を教えるのですが、色温度もその中の一つです。パワーポイントで作った資料はいきなり「色温度、単位はケルビン」と画面に現われます。受けて側の「聞いたこともない言葉」をバーンと出して興味をそそる作戦です。今回もいつものように説明に入った時、一瞬表情が止まったのを私は見逃しませんでした。相手がどのように反応するかは説明の仕方に大きく影響するからです。そしてこの反応は今回が初めてでした。そしてややあってポツリと「ケルビンさん」と言うので、「単位ですから『さん』はつけなくって結構です」と説明したところ、前の職場(外資系)で「ケルビンさんと仕事をしており仕事の返答が遅くちょっと悩みの種」だったそうです。彼女にとって、電気がどうの、光がどうのと云った説明の中で、「まさか前の職場で一緒に働いていた方の名前」を聞こうとは夢にも思わなかったのでしょう。私は私で単位の呼称としてしか使ったことがないので、まさかケルビンさんという実在の人物が出てこようとは思いませんでした。単位に人名が使われることはよくあると知識では知っていても、そんなことがあろうとは・・・・・・。
色温度という言葉を真ん中に挟んで、未知との遭遇でした。
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